「打ち上げ花火、下からみるか? 横から見るか?」を見た。よかった
映画、打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 観て来ました。
— 奥 浩哉 (@hiroya_oku) 2017年8月18日
絵も深夜のテレビアニメくらいだし、
話も都合良く進み、人物も何考えてるかわからない。良かったのは音楽くらいでした。僕には退屈な映画でした。
公開当初から、僕のTLでは上のような評価が多かったです。
他にも
- CMが作画の上澄み
- CGが酷い
- 内容がない
などいろいろ多かったのであまり期待はしていませんでしたが、院試終わったので友達を見てきました。面白かったです。
具体的な部分について
・絵が深夜のTVアニメぐらい
絵はコンディションの良いときのシャフトです。具体的には偽物語ぐらい(これでも足らない人は以下に述べる理由からシャフトを見てはいけません)
「作画の良さ」には、
・動きの良さ
・絵の綺麗さ
の二つがあります。まあ、現実は「動きの良いアニメは絵も綺麗」です。(反例はトムとジェリー)*1
この映画、普通に見てる限り動きは悪いけど絵は綺麗でした。
だからディスってるのは動きの悪さだと思うのですが、そもそも、アニメ演出には芝居派と表現派というのがいて、シャフト=新房昭之は強い表現派、表現派の旗手です。ここ数年、このやり方で円盤を売りまくってきました。そもそも、表現派というのは作画枚数制限から生まれてきたもので*2、制限された作画枚数からどれだけ客が満足する画面を作れるかを表現派は追求しています。新房に関して言えば、具体的には一枚の綺麗な絵をパンしたりパッと入れたりするやつなどです。*3そういったアニメは動きが悪いのは当然です。少ない作画で作ろうというのが、根底にあるわけですからね。
僕の感覚としては、この絵が深夜のアニメぐらいというのは、昨今の深夜アニメの絵の綺麗になってきたからで、それはやっぱり、あのレベルの作画枚数でも大ヒットを作り出してきたシャフト=新房演出のいいところをアニメ業界全体が吸収したからだと思いますよ。
・CGが酷い
はじめ5分ぐらいの自転車などに「ンッ?」と思うシーンがありますが、他は無問題です。もしかしたら、電車のシーンでのCGに違和感を持った人もいるかもしれませんが、あれは音と映像のCGが合ってないと思えばいけます。それに、あのシーンは綺麗なシーンだったし。
・内容がない
内容が無いとは思いません。ですが、もともとの岩井俊二のドラマが45分、そこにきっちりとしたタイムリープ感*4などを付け加えても、60~75分が適正時間だったような気はします。だから薄味だったような気はする。
でも、多分「内容がない」って言ってる人はもともとのドラマをみても内容が無いって言うと思うのですが、どうでしょう?
・話も都合良く進み、人物も何考えてるかわからない
映画でもアニメでもドラマでも、任意のものをこう言って批判することができます。こういう批判は受け入れられる都合の良さはどこまでなのかを言っていただかないとなんともいえない。インターネットには本当にこればかり言っている人っています。ぐぐるとすぐ見つかります。
あと、本当に気持ちがわからないなんてことは絶対にないと思います。逆にあるあるの気持ちすぎてそこに文句をつけるのは理解できますが、原作の時代が時代なので許そう。*5
・声優
広瀬すずも菅田将暉も自然な演技で上手かった。はっきりいってむしろ宮野真守のほうが違和感が強かった。
以上、皆さんもいろいろな批判が目に入ると、映画館に行く気をなくしますが、みんなはじめ嫌いで理由を目についたものから後づけして叩くだけなので、気にせず見たいものを見て、褒めたいものを褒めましょう。
参考
アニメ表現における「芝居派」と「表現派」::サマーウォーズと化物語::クリティカルヒット